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■ありがとうを、形に。


■ぬるーく更新中!
ケモノガタリ 前編
 
もう忘れられてたかもしれませんが

志姫の過去話っぽいお話がやっとこさできました。


完全二次創作物なので、それでもいいよって方だけ

続きからどうぞです!





ケモノガタリ-前編-


――――何時だかわからない時

此処ではない何処か遠い国――――――

 

真っ白な化粧の深い森…


人里離れたその小屋には


1人の老婆と

 

1匹の獣が棲んでいた…。

 

***


上品な装飾のティーカップは

お世辞にも綺麗とはいえないこの小屋にひどく不釣合いだ。

 

老婆はカップに、様々なハーブで作った自家製の茶と

平皿に温めたミルクを注ぐ。

 

「砂糖は二個だったね?」

 

尋ねる老婆に

 

「うん。ふたつ ちょうだい」

 

驚いた事に獣が口を利く。

 

「おばあちゃんのおちゃ、やっぱりへんなにおい」


「ふふ…これが体にいいのさ…」


流暢とはいえないものの

しっかりと会話の出来る獣。

 

無論この国の全ての獣が口を利けるわけではない。


この獣が特別だと言うわけでもない。


全てはこの老婆の魔法の力なのだ…。

 

***

 

巡る感覚

おぼろげな追憶

 

粗末な作りの小屋。

変な臭いのする草がたくさん吊るされた壁。

 

大きな鍋からは湯気が立ち上り

テーブルの上には色とりどりの綺麗な石。

 

全てが獣には初めて見るもので

その意味は何もわからなかった。

 

***


雪のたくさん降った夜。

森の奥の小さな穴倉で眠っていた小さな獣は


微かな地面の振動に、瞳を開いた。


金色に光るそのガラス球には…

何も映らない。真っ暗だ。


二度目の激しい揺れで

寝ぼけ眼の獣もさすがに体勢を整える。


母親が死んでから初めての冬。


雪の恐ろしさも残酷さも、まだわからないその体が

ゆっくり穴から出てきた刹那…

 

 

白魔の荒波が、森を襲った。

 

***

 

―――冷たい

――寒い

―痛い

 

 

ぼんやりとした感覚は

はっきりとした意識に変わり

 

辺りが明るくなっている事に気がついた。

 

動こうとするも

体中に痛みが走り

 

足には…

 


大きな樹が覆い被さっている。


抜こうとするも傷みで抜けない。

 


何度か試みるも

体力は消耗され


やがては、へたりこんでしまう。

 


(…)

 


獣は複雑な言語を持たない。

故にこの感覚が何であるのかもさっぱりわからない。

 

ただ、憔悴と絶望感が波の様に次々と襲ってくる。


真っ暗。


このまま自分が消えてなくなりそうな感覚。

 


それが死への恐怖感だという事を知るには

まだ獣は幼すぎたのだ。

 


いつしか微睡むように

ガラス球は、ゆっくりと閉じられていった。

 

***

 

ふんわりと嗅ぎ覚えのない匂い。

優しいような、懐かしいような。

 

微かに見える光。

 

眼を凝らせばそれは

銀色の毛並みなのだと解る。

 

自分より遥かに大きな生き物。

 

しかし恐ろしいと言う感情は起こらない。

匂いのせいだろうか。

 

銀色の生き物は大きな樹を動かしているらしい。

動かすたびに痛みは走るが


圧迫感が和らいでくる。

 

…助けて、くれているのだろうか…?

 

不意に

生き物の翡翠と
獣のガラス球が絡み合う。


穏やかに流れる時間。

 


やがて、獣の意識はまたゆっくりと遠のいていった。

 


***

 

変な臭いがする…。

鼻がつんとするような

むずむずするような…。

 

ぼんやりとした意識のまま

ゆっくりと体を起こすと

 

大きな生き物が2匹、自分を覗き込んでいる。

 


ハッとして体勢を立て直そうとするも

体中が痛み、思うように動かない。


キッと睨むその先には

燃える様なルビーと穏やかな翡翠。

 

ふと嗅ぎ覚えのある柔らかな匂いに、獣の警戒が少し緩む。

 

「気がついたようだね」

紅い眼の老婆が言う。


「…助かるのか?」

青年の蒼い眼が揺れる。

 

「この威勢だと…大丈夫なんじゃないかねぇ」


その言葉にどこかほっとした様子の青年。

 

言葉を解さない獣には、何が起こっているのかわからない。

ただ、両親以外の初めての大きな生き物に怯えていた。

 

しかし少し落ち着いてみると記憶が蘇る。

銀色の毛並み…翡翠の瞳…

 

あの時出遭った大きな生き物

…優しい匂い。

 


「俺の目の前で死なれても困るからな…」

そっけない言い方の青年に老婆は眼を細める。

 

「変わらないねぇ…」

眉根を寄せる青年に構わず老婆は続ける。

「私が城にいたときも

傷ついた小鳥やら鼠やらをよく持ち込んでいたからねぇ。」


「…今は関係ないだろう。」

 

「いや、ある。」


きっぱりと言う老婆に、目を見張る青年。

 

「この獣を私に預けて、またどこかへ行くつもりなんだろう?

何も出来ない生き物の世話を焼いていられるほど、時代は優しくはなくなった。」

 

少し考え込むように眉根を寄せた青年は老婆に問う。


「…何をすればいいんだ?」

 


***

 


まだこの国が、移りゆく季節の祝福を受けていた頃。

花の咲き乱れる城の庭園に


小さな王子と乳母の姿があった。


銀色の髪をなびかせて乳母に駆け寄る王子の手には

小さな花束。


「きょうは、ばぁやのおたんじょうびだと、ははうえがおっしゃっていたので…」


受け取る乳母は、細長い眼をいっそう細めて王子を見つめる。


「王子が自分で摘んできてくれたのかい?」


「はい!」


得意げに答える王子に乳母は二つの小さな耳飾を手渡す。

 

「ありがとうね…これはお返しだよ。」

「?」


庭園には柔らかな風が吹く。


「こうやってつけるんだよ」


白銀の飾りを耳にそっとつけてやる。

 

「その飾りにはね、強い力が封じ込まれているんだよ。」

「つよい、ちから?」

 

不思議そうに首を傾げる王子に

乳母はどこまでも優しく微笑むのだった。

 

 

それから幾度目かの秋…

赤い目の女が凶悪な力を持つ魔女であると言う噂が

まことしやかに世間に広がり…

 

赤眼の乳母も例外無く

国を追われる事となったのであった。

 


国王の第一子が城を空けがちになったのもこの頃からである。  


ただしこれは城内の重要機密であり

王子の居ない間は代役が立てられていた為、国民の知るところではなかった。

 

***

 

「――お前のその耳飾」


思いもよらない言葉に青年はハッと顔を上げる。

 

「その飾りには強力な魔力を仕込んである。」


「――は?」

 


魔力…?

そんなものがこの世に存在するのかどうか―――。

 

―――かつて青年が少年だった頃


それを夜な夜な考えていた事はあった。


謂れの無い理由で国から捨てられた乳母。

何も出来なかった自分。

 

魔術なんて、魔女なんて。

御伽噺のような事を


大人達は本気で信じ…


赤い目の女達を次々と処刑していった。


自分の側近の知恵によって

命こそは救えたものの


国から「存在してはならない」という烙印を押され

寂しい森に捨てられた赤眼の乳母。

 


その乳母自身の口から

「魔力」という単語が飛び出した事に


青年はひどく困惑した。

 


そんな青年に構わず老婆は続ける。


「まさか今まで私の傍にいて…

本当に魔法が存在しないとでも思っていたのかい?」


口角を弓なりに上げる彼女は

年老いているのにどこかドキリとさせられる。

 

「確かに、国のお偉いさんの考えているような

国自体を滅ぼすなんて強大な呪〈ノロ〉いの力は存在しない」


ただね、と老婆は続ける。


「小さな呪〈マジナ〉いは、確かに存在し続けているんだよ。」


そこで青年は小さく嘲笑った。


「なんだ、ばあさんのまじないか…」


だが…


――ふふ、と。

老婆が笑っている。

こんな顔をするときは、大体嫌な事を言うとき。

 

「今この国の季節が失われているのも、隣国の魔術師によるものさね。」


「…は…」


「魔力は受け継ぐ事でより強力に成長する。

隣国では水面下での魔法の研究が盛んだったから…」

 

 

「季節を奪えるまでの強い魔力が生まれたんだねぇ」

 


いわれてみれば…いつもなら薄着になる頃なのに、この国はまだ雪に埋もれている。

しかしそれは国の気象研究師達が、大気の汚染に因る異常気象だと発表していた筈…。

 

「……何でもかんでも疑わないのも困りものなのかね…」

 

ふうっと溜め息を吐き、老婆は言う。


「さ、その飾りを一つ寄越しなさい。」

 


ニヤリと笑って囁いた。


「お前に『魔法』を見せてやろう。」

 

***

 

大きな円いテーブルに、色とりどりの石が並べられてゆく。


「石は大地の恵み。土地の神の力を引き出す。」


大きな鍋からは湯気が出ていて

匂いからスープが煮込まれているのだとわかる。


数種類の草を擂鉢ですり合わせ

得体の知れないどろりとした物体を作り出す老婆の姿は


まさに御伽噺で見聞かされた魔女そのものだった。


「言霊の古い呪いだよ」


話し続けながら手負いの獣をひょいと掴んで

並べた石の真ん中にそっと下ろす。


「香草は知識の精霊の力を引き出し、

人間の食物を口にする事で[理]の再構築のきっかけにする。」


少し冷ましたスープに緑色の液体を混ぜ

きょときょととうろたえる獣の口に強引に飲ませる。


小さくむせる獣に構わず

老婆は受け取った飾りを、体の割に大きめの耳にそっと着けてやる。


「そしてこの飾りに込められた魔力を、呪いの素にする」


数本の蝋燭の炎にゆらゆらと照らされながら

老婆はゆっくりと口を開いた。


「      」


しかし唇は動くものの何も聞こえない。


「…おい…?」


声をかけた青年に、黙っていろと言う様に指で制し

掌をそのまま獣に向ける。

                                 
やがて…


淡い紫色の光に辺りが柔らかく包まれたかと思うと


一拍おいて

部屋の蝋燭がふっと消え、部屋は真っ暗になった。

                           

三つの呼吸と時折雪の落ちる音以外何も聞こえない。

その沈黙を破る老婆の声。


「小さき命、名をシキと云う」


「し き?」


暗闇で首を傾げる青年に囁く様に答える。


「古い東洋の言葉で『移り変わる季節』の事さ。

名前は相手を支配するのに必要でね。」

 

「支…はい…?」


青年の呟きは闇にとけ…


気がつくと、蝋燭の火は灯っていた。

 

「さぁシキ。もう喋られるだろう?」


「…!?」


驚く青年を尻目に獣に話しかける老婆。

 

二、三瞬いた獣は

はくはくと口を動かし、やっと一言こう言った。

 

「……な んで…?」

 

 


***

 

 


なんで?


――目が覚めたら変なところにいて…


なんで?


―――あのときの銀色の生き物がいて…


なんで?


――――変なものを口に入れられて…


なんで?


―――――何も見えなくなって…

 

 

そして

 

そして急に頭が…すっきりして…

 

 

今、ここにいる生き物達の言葉がわかる。

 

 


私は…私は、シキ。

 

なんで?


なんで、シキ?

 


…わからない。

 

でも私は『シキ』なんだ…。

 



***



 

「今日から私と暮らして私の手伝いをするんだよ。」


あの時、突然おばあちゃんはそう言った。

 

銀色の毛並みの『おうじ』。

赤い瞳のおばあちゃん。


二人に初めて会ったあの日から


お月様が四度丸くなった。

 

あまりうまく喋れないけれど、

なぜか私はおばあちゃんたち『にんげん』の言葉が話せる。

 


おばあちゃんの『おしごと』のお手伝いで

真っ白な森の中からいろんな草をさがしてくる毎日。

 

『おうじ』は、あまり帰ってこない。

もとからおばあちゃんのお家には住んでいないらしい。

 

でも、たまに帰ってくると


森にはない果物とか、お肉やパンを

袋にいっぱい入れてもってきてくれる。

 

でもそれよりも『おうじ』がいると、いいにおいがするからすき。


なつかしくって

くすぐったいような、やさしいにおい。


そして思い出すかすかな記憶…

 

 


「――あのとき、たすけてくれたのは…」

 

 


かちゃり。と静かにドアが開く。

 

「あ、おばあちゃん!」

 

薄鼠色のローブを纏った老婆が小屋の中に入ってくる。


薄く積もった雪花が

はらはらと床に落ち、そして直ぐに溶けてなくなった。


「どこ いってたの?」


普段家に篭りきりの老婆だが

たまにこうして獣に留守番をさせる事がある。


そのときは決まってローブのフードを深く被り、大きな荷物を持って

たくさんの金貨を持ち帰ってくるのだった。


「シキ、『おかえりなさい』だろう」


「あ、おかえりなさいっ!」


知識と言葉を魔法で与えた獣も、ずいぶんとこの暮らしに慣れたようだった。


最初こそ戸惑っていたものの

言葉が通じるとわかると、ぽつぽつと自分のことを話すようになった。

 

この森に棲んでいた事

父親は生まれた時からいなかった事、母親がある日死んでしまった事…。


そして1人で暮らし始めた矢先

雪崩に巻き込まれ、王子がそこに居合わせたらしい。

 


獣は小さいが、よく見えよく聞こえる為

老婆の薬剤作りの手伝いに大いに貢献していた。

 

薬草摘みの雑用にでもと思い引き取ったのだが…

これまた喋ってみると素直で可愛らしく


長い年月一人きりだった老婆の暮らしにも潤いを与えていた。

 

「街にね。いつものお薬を売りに行ってたんだよ。」


「ま ち?」

 

いつの間にか、老婆にとって獣はかけがえのない存在になっていた。


乳母として働いていた頃は

王子に手を焼き忙しい毎日だったが


『魔女狩り』が執行されここに追いやられ…

 

「ねえねえ まちってなぁに?」

 

ゆっくり考え事もさせてくれない獣に目を細める老婆。


大きな瞳をキラキラさせて

自分の声に耳を傾ける獣を見つめながら


昼間、城下で聴いた穏やかではない話の事に頭を巡らせていた…。


-続く-



続きはコチラ



何か書いてる。 12:53 comments(2)
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- 12:53 -
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COMMENT
>まささん

読んでいただきありがとうございます♪

物書きではないのでお見苦しい点もあったかと思いますが…^^;
【UC】管理人 2010/06/07 5:04 PM
夏を前に 優しそうな物語

ただ 後篇を読むのがちょっとつらくなりそうで
こあい
まさ 2010/06/06 7:11 PM









うさ耳キュートのゲーム絵日記みたいな何か。

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